お役立ち情報

「統合報告書」「アニュアルレポート」「CSR報告書」「サスティナビリティレポート」それぞれの特徴と違い

企業情報を公表する書類形式は様々。そのため、どの書類を作成すべきか悩むこともありでしょう。
そこで今回は作成頻度の高い、統合報告書・アニュアルレポート・CSR報告書・サスティナビリティレポートの4点について、その特徴や目的等をまとめました。
書類作成時の目安としてお役立ていただけましたら幸いです。

統合報告書

特徴

財務情報だけでなく、数値化しにくい資産を含めた企業の全体的な価値とその方向性や展望について、社内外にアピールするための資料です。
中長期的な経営ビジョンを元に作成されます。
最も情報量が膨大で作成コストが高い反面、社内外からの企業評価につながりやすい資料です。

目的

投資家や金融機関、従業員、世間といった社内外に向けてアピールすることが目的です。
特に日本の企業ではCSR報告書の代わりとして作成されるケースが増えてきました。
財務情報だけでは判断できない中長期的経営戦略を共有し、投資家や金融機関等の理解を促進します。

作成のメリット

社内外からの信頼性向上と各種のコストダウンが実現できます。
たとえば投資家や世間に対して統合報告書を公表することで、株の長期保有を促したり、企業イメージを向上させたりする効果が期待できます。
採用に関しても効果を発揮します。統合報告書により企業の今後の方向性が共有できるので、ミスマッチが減り採用コストがグッと抑えられるでしょう。

アニュアルレポート

特徴

別名「年次報告書」と呼ばれる資料です。その名のとおり1年間の経営状況や財務状況をまとめて開示します。
財務情報だけでなく経営戦略等の数字に落とし込めない情報も掲載でき、比較的自由度の高い書類です。
法定開示書類ではないものの、主にIRツールの1つとして年度末に株主や投資家に向けて公開されます。

目的

1年間の財務状況や発展状況、中長期経営における進捗具合等を掲載し、主に投資家の長期的投資に対する判断材料に使われます。
トップメッセージや企業理念等の、自社を理解してもらえる情報をふんだんに盛り込み、株主に対して株の長期保有を促します。

作成のメリット

自由なフォーマットで企業の魅力を伝えられるため、投資家への適切なアプローチが可能です。
これまでは財務データを中心とした情報開示が中心でしたが、決算書の数字だけでは企業の将来像がイメージしにくいことが投資判断の足かせとなっていました。
アニュアルレポートは中長期経営戦略からSDGsへの取り組みまで様々な情報を持ち込めるため、投資家に長期的な投資判断を促せます。
フォーマットが定められていないために、財務データの内容が多少悪くても理由や今後の立て直しについて語れる、というメリットも重要です。

CSR報告書

特徴

CSR報告書とは、社会問題や環境問題に対する企業の取り組みをまとめた報告書です。CSRレポートとも呼ばれます。
公開方法は「株主へのメッセージ」や「公式サイト上での公開」等と多岐に及びます。
少し前には従業員による近隣の清掃活動やボランティア活動が主な内容でしたが、現在では企業全体が主体となった取り組みが増えてきました。

目的

社会的課題に取り組んでいることをアピールし、新たなファンや支援者を獲得することが主な目的です。
現在日本では、環境や社会問題への関心が高まっています。その中で大量の廃棄物を出したり温室効果ガスを排出したりするとして、企業全体に対する悪いイメージが形成されるに至りました。
落ち込んだ企業イメージを回復させる目的で始まったのがCSRであり、その報告書がCSR報告書です。
今では「企業はSCRに取り組むのが当たり前」という風潮ができつつあり、大企業だけでなく中小企業にもCSRの波が広がっています。

作成のメリット

経営活動以外の側面からアピールできるため、これまでアプローチしづらかった層からの支援を得やすくなります。
企業イメージの向上にも役立つでしょう。たとえば同じ価格帯の製品でも「この企業は環境に優しいから」という理由で、自社製品が選ばれる可能性を高めてくれます。
従業員満足度も大きく向上します。
自社が社会貢献しているという事実は従業員全体の士気を高めます。結果としてモチベーションの向上や離職防止につながるでしょう。
ただしボランティア活動の強制は不満の種になりますのでご注意ください。

サスティナビリティレポート

特徴

サスティナビリティとは「持続可能性」を意味し、自然環境や社会課題を考慮し、持続可能な社会の実現に向けて行われる取り組みをまとめたレポートがサスティナビリティレポートです。
CSR報告書は「企業の社会的責任」を果たすための取り組みについての書類であり、サスティナビリティレポートはより広義な取り組みについての書類です。

目的

持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいることをアピールし、企業イメージの向上や顧客のファン化を狙うものです。
CSR報告書とほぼ同様の目的を持って作成されます。

作成のメリット

企業イメージの向上や新規顧客獲得、投資家へのアピール材料等と、こちらもCSR報告書と同じです。
サスティナビリティレポートは社会や環境等の社会問題全体に対する取り組みをまとめた報告書のため、CSRよりも実施・作成しやすい書類です。

まとめ

4つの書類の特徴や違いをまとめました。
どの書類も非常に重要ですが、その分作成は難しく時間と技術が求められます。
自社内での作成が困難であれば、早めに実績のある作成支援会社に相談しましょう。

トップへ
戻る