初心者必見!読まれるインタビュー記事の書き方 アポ取りから注意点まで徹底解説
仕事でインタビュー記事を作成することになったものの、何から始めたらいいのかわからない!という方は多いのではないでしょうか。
うまく段取りがでなかったばっかりに、肝心なことを聞き出せなかったり、相手に失礼な対応をしてしまったり、といったケースも少なくないようです。
そこで、初めてインタビューに挑戦する方向けに、どんな準備が必要なのか、どういった点に注意しなければいけないのか、といった基本的なポイントをまとめました。
インタビュー相手に喜んでいただき、さらに、読者にも楽しんでいただける、そんなインタビュー記事を書いていきましょう。
▼この記事でわかること
- ・インタビュー記事の書き方3タイプ
- ・気持ちよく話してもらうためのポイント
- ・読まれる記事に仕上げるポイント
- ・インタビュー記事制作の注意点
インタビュー記事の書き方は大きく3タイプ
インタビュー記事には3つの書き方があります。まずは、それぞれ基本的な特徴を解説します。
一人称形式
インタビュー対象が、自らの語りで話を進める書き方です。
私がこの会社に入ったのは、自分でも驚きなのですが、偶然1枚のチラシを目にしたことがきっかけでした。そのチラシとは、…………
というスタイルの記事なります。
インタビュー対象の熱意や想いをストレートに伝えやすい一方で、インタビュー対象の言葉を書き手自身の言葉に変換して表現する必要があるため、高度な理解力とライティングスキルが求められます。
三人称形式
インタビューで聞いた事実を書き手の目線で伝えつつ、書き手の考察や感想も盛り込む書き方です。
彼にこの会社に入った経緯を尋ねると、「偶然1枚のチラシを目したことがきっかけなんです」と返ってきたから驚きだ。彼の運命を変えたチラシとは、一体どんな内容だったのか尋ねてみた。……
というスタイルの記事です。
全体的に論理的な文章になりつつも、インタビュ対象の表情や仕草なども文中に盛り込みやすい特徴があります。そのため、論理性と主観を自然に両立させられるライティングスキルが求められます。
対話形式
文頭に話者の名前を載せたり、O&A形式にして、それぞれの話した内容を交互に載せていく書き方です。Webの場合、アイコンや吹き出しを使い、マンガ風に仕上げるパターンもあります。
聞き手:この会社に入った理由を教えてください。
社 員:実は、偶然ある1枚のチラシを目にしたことがきっかけだったんです。
聞き手:入社の経緯がチラシとは驚きですね。一体、どんな内容だったんですか。
というスタイルの記事です。
実際の会話のようにテンポ良く話が進むため、読みやすい記事になりますが、情報量が少なくなりやすく、ライトな記事になりやすい傾向があります。
【インタビュー当日】対象者が気持ちよく話せるように努めよう
実際にインタビューを行うに当たり、インタビュー対象者に気持ちよく話してただくためのポイントをご紹介します。
どういう媒体と読者なのか伝えよう
必ずインタビュー前に、どういう媒体に載る、どのような読者が読む記事のインタビューなのかを伝えましょう。載せる媒体や想定している読者によって、インタビュー対象者も答える内容が変わってくるからです。
例えば、社内の新入社員にインタビューするにしても、社内報に載せる他の部署向けの記事なのか、会社案内に載せる社外向けの記事なのかで伝えたいことは変わってくるはず。掲載媒体と読者層を伝えることで、話し手にとっても聞き手にとっても、スムーズなインタビューになります。
はじめは雑談で緊張感をとろう
さて、いよいよインタビュー!ですが、いきなりインタビューを始めるのではなく、最初は雑談などで相手の緊張感をほぐしましょう。
その人ならではの深い話を聞くためには、いかに相手から素の気持ちを引き出せるかが重要です。改まって質問をするよりも、何気ない会話の中でポロっと出た言葉に真意が隠れていることも多いため、「インタビューしてます!」というアプローチよりも、自然な会話の延長という空気感で会話をすることが理想といえます。
また、思わぬ一言から貴重な話に発展することもあるため、相手の言葉の一つひとつに関心をもって聞くようにしましょう。
撮影・録音の許可をとろう
必ず、インタビュー前に撮影や録音の許可をとりましょう。記事の合間に、楽しそうに話している表情や真剣に語っている表情の画像があると、臨場感がありインタビュー対象者の人柄なども伝わるため、可能なかぎり画像は残すようにしましょう。
また部屋が暗かったり、背景がインタビュー対象者のイメージと合わない場合、画像を載せることがマイナスに働くこともあります。インタビュー場所は撮影のことを考慮したうえで決めましょう。
録音は必ずとるようにしましょう。メモだけだと聞き逃しや解釈のズレなどが起こりかねません。インタビュー内容を正確に記事にするためにも、録音を確認しながら執筆しましょう。
万が一、先方から「こんなこと言っていない!」とクレームがはいった場合にも、録音があると対応しやすくなります。録音や撮影したデータはインタビュー以外では使用しないと伝えることもお忘れなく。
「〜ということですね?」と確認しながら話を進めよう
インタビューする側が勝手に解釈しないためにも、相手の話に対して「〜ということですね?」と確認しながら進めるようにしましょう。この一つひとつの確認が、中身の濃い記事を書く上でも重要になります。
(OK例)
A氏:私、はじめは全然うまくいかなかったんですけど、それでも辞めたいとは思わなかったんです。
インタビュアー:はじめはうまくいかなかったんですね。それでも辞めたいと思わなかったのはなぜですか?
A氏:シンプルに楽しかったからですね。
インタビュアー:うまくいってなくても楽しかったんですか。例えばどんな点が?
(NG例)
A氏:私、はじめは全然うまくいかなかったんですけど、それでも辞めたいとは思わなかったんです。
インタビュアー:それはなぜですか?
A氏:楽しかったからです。
インタビュアー:どこが楽しかったんですか?
A氏:好きだったので夢中でしたね。
(OK例)のように、相手の話を聞き返しながら質問をすることで、より深い部分まで聞き出すことができます。
インタビュー時間を守ろう
話が盛り上がるほど、インタビュー時間が足りなくなることがありますが、時間配分をしっかり行い、時間は守りましょう。
インタビュー対象者は、他にも仕事をかかえており、インタビュー時間が長引くことで他の仕事に影響する可能性もあります。相手に迷惑がかからないように十分配慮しましょう。
【記事作成】読まれる記事に仕上げていこう
話の流れがスムーズになるようにしよう
後から録音を聞き直すと、話が飛躍したり、途中で脱線したりしてることもあると思います。その場合は、どのような順番で伝えれば分かりやすいのかを考え、並び替えましょう。
また、聞いた話のすべてを盛り込むと、結局何が言いたいのかが分からない記事になってしまいがちです。必要な部分と不要な部分をしっかりと見極めましょう。
タイトルと内容がズレないようにしよう
特に、ネット上にアップする場合は、釣りタイトルのような煽ったキャッチコピーは避けましょう。釣りタイトルは、ネットニュースなどでもよく見かけるかと思います。「まさに奴隷のような日々でした。〇〇会社の元社員が語るブラックな実態」といったタイトルです。でも、読んでみたら全然違う内容だった、という経験は誰しもあるんじゃないでしょうか。
でも、このようなタイトルは読者の興味をそそるものの、会社やあなたの信用を大きく毀損しますし、インタビュー対象者やその関係者にも大きな迷惑をかけることになります。大げさに煽った釣りタイトルは、避けるようにしましょう。
インタビュー対象者が伝えたいことを大事にしよう
インタビューをしていると、相手が大切にしている思いや考えが分かってきます。繰り返し同じフレーズが出てきたり、異なる質問でも似た回答になったりする場合は、その方が一番大事にしている部分が出てきている可能性が大です。
その部分をメインメッセージとして記事を構成すると、インタビュー対象にも満足してもらいやすい記事をつくることができます。
読者が知りたいことからブレないようにしよう
読者は自分が興味のない情報は、気にもとめません。読者が知りたいことにしっかりフォーカスしてお届けすることで、「いい記事だった」「参考になった」という反応を頂けるのです。
そのため、読者が知りたい情報からはブレないようにしましょう。「読者が知りたい情報を、インタビュー対象者の視点で解説する」というスタンスを堅守して記事を書くことが大切です。
インタビュー記事を書く際の注意点
その他にも、インタビューをするにあたり注意したい点があるので解説します。
相手の意見と自分の解釈を混ぜないようにしよう
インタビューに慣れていないと、相手の言葉を勝手に解釈してしまうことがあります。そこに悪意はなく、インタビュー内容をよりわかりやすく表現するためだったり、受け手の解釈が根本的にずれていたり、理由は様々です。
ただ、内容によっては小さな食い違いが大きなトラブルに発展することもありますので、解釈のずれには十分に注意し、こちらの判断で脚色することは避けましょう。特に、インタビュー対象者から「私が言った言葉は、そのまま書いてください」と言われた時は、脚色してはいけません
インタビュー以外での裏話は載せないように
記事内で「何気ない会話の中でポロっと言ってくださる言葉に真意が隠れている」と書きましたが、その内容を書きたい場合は、載せても問題ないか先方に確認をとりましょう。
人によっては、あなたのことを信用して、記事にされるのは困るけど裏話として本音を言ってくださった場合もありますし、本人も無意識で話していることもあります。インタビュー以外での裏話はむやみに掲載しないようにし、載せたい言葉があれば、事前に確認をとるようにしましょう。
記事が完成したら公開前に相手に確認しよう
インタビュー側の解釈にずれがないか、表現に誤りがないかなどを見てもらうために、記事が完成したら、公開前にインタビュー対象者に確認してもらいましょう。
特に専門性の高い業界のインタビューの場合は、言葉遣や表現の正確さといった文字の問題だけでなく、文章内容のファクトチェックもしてもらう必要があります。そうしたケースは、先方に十分の時間をもって確認してもらうようにしましょう。
<おわりに>相手が伝えたいことを大切にして、インタビュー相手にも読者にも喜ばれる記事を書こう!
インタビューは、聞いたことをそのまま書く仕事ではありません。読者が知りたいことを、インタビュー対象者の視点から伝えることで、読者にとって新しい視点や世界を提供することが大切です。
そのためにも、インタビュー対象者に関心を持ち、相手の考や思いを汲み取りながら、その思いを忠実に表現できる記事づくりを目指していきましょう。