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統合報告書作成のメリット

統合報告書は自社内外に向けて、企業の経営状況や将来像等を発信するための書類です。
今回は統合報告書を作成する理由やメリット等についてまとめました。
統合報告書作成前にお読みいただき、ぜひ理解を深めていただければ幸いです。

統合報告書とは

統合報告書とは、財務データ(損益計算書等)と非財務データ(独自のスキルやノウハウ等)をまとめ、投資家や世間に向けてアピールするための資料です。主に企業理念や今後の展望等を記載します。
一読すれば企業の強みや立ち位置、今後の事業の方向性やその見通し等が共有できる書類として、近年多くの企業で作成されるようになりました。

統合報告書が作成されるようになった背景には2008年の金融危機が深く関わっていると言われています。短期的な企業評価が投資家を短期志向、つまり「すぐに利益が確定する投資」へ促したことが、金融危機を招いた一因と考えられました。
その反省として、長期的な見通しを共有できる統合報告書が作成されるようになったのです。

誰に向けて作成するのか

一般的には「株主」や「投資家」に向けて作成します。
株主や投資家は企業の経済活動に直接関与しませんから、統合報告書による包括的な情報開示は魅力的で心強いものとなるはずです。

一方で「従業員」や「取引先」を意識することも忘れてはなりません。
たとえば各部署に配属されている従業員が、会社の方向性や今後の展望等を把握することはほぼ不可能でしょう。統合報告書を配布すれば、全従業員に企業の在り方や方向性を共有できます。
また取引先とは信頼関係が成立しているとはいえ、先行きが不透明な現代において、相手方の情報はできるだけ掴んでおきたいものです。統合報告書は長期的な視野を含めた資料ですから、今後も安心して取引ができるかの判断材料になります。

統合報告書に記載する主な内容

現在、世界中の企業が「国際統合報告フレームワーク」に則り統合報告書を作成しています。
経済産業省が翻訳・公開した内容によると、統合報告書に含まれる情報のカテゴリーは以下のとおりです。

 <国際統合報告フレームワーク・情報カテゴリー>

  • ●組織概要と外部環境
  • ●ガバナンス
  • ●機会とリスク
  • ●先着と資源配分
  • ●実績
  • ●将来見通し

自由度が高い反面、作成には高い技術と時間を要します。
そのため統合報告書作成の際には、作成支援会社に依頼することが一般的です。

統合報告書の大きなメリット5つ

統合報告書は企業の情報をまとめて公開するものです。
しかし「内部情報を簡単に公開して良いのか?」「少なくないコストをかけてまで作成するほどの資料なのか?」と疑問に思われることもあるでしょう。
そこで、ここでは統合報告書のメリットを具体的に5つ紹介いたします。
一言で申しますと、企業の信頼性アップと各方面のコストカットが実現します。

投資家の信頼性アップに役立つ

最も大きなメリットは、投資家の信頼性アップにつながることです。
具体的な指標を設定して数値に落とし込み可視化することで、投資家からの信頼性向上や株価の安定をもたらします。
また統合報告書によって長期的な視野を共有できるため、短期売買を抑制し長期保有を促せる点も押さえておきましょう。

社内の風通しが良くなる

統合報告書を従業員に周知することで、社内の風通しが良くなる効果が期待できます。
通常、部署間には垣根が生まれがちで、部署を超えた事業は一進一退になるものではないでしょうか。
そこで統合報告書を社内周知し企業全体の方向性を指し示すことによって、部署間の垣根を壊し意思疎通をスムーズにします。
社内統制を強化したい場合には、便利にお使いいただけるでしょう。

採用コストを下げられる

熱意ある学生達を採用できる可能性が高まります。
採用活動中の学生達は企業情報を収集していますから、統合報告書が公開されていれば必ず目を通します。統合報告書により自分の将来像と自社の方向性がマッチしていると確認できれば、優秀な学生が応募してくるはずです。
また方向性を確認してから入社するのですから離職率も低下します。
このように、統合報告書は採用コストにも大きく影響を与えるのです。

融資が獲得しやすくなる

金融機関から融資を受ける際にも統合報告書が役立ちます。
金融機関が融資可否を判断する基準の1つは「完済できるかどうか」です。
一般的に、融資額が高額になるほど返済期間は長引きます。
数年後、数十年後も企業が黒字を出し続け、無事に返済してくれるかどうかが融資の鍵となるわけです。
統合報告書が、融資獲得の時間短縮や融資額増額に一役買ってくれるでしょう。

経営判断の指針となる

今後も経営状況が順風満帆である保証はどこにもありません。頭を悩ませる事態がいくつも降りかかってくるでしょう。そんな時の経営判断にも統合報告書が活用できます。
経営判断のようなストレス負荷の高いケースにおいて、常に冷静に対処できるとは限りません。
統合報告書には企業戦略や方向性が示されていますから、重大かつ迅速な判断に迫られた時の指針となるのです。

まとめ

統合報告書の作成は、社内外における信頼性を向上させ、各種のコストカットが見込めます。
しかし必要な情報が掲載しきれていなかったり、事業展開や展望について根拠が乏しかったりすると、逆に信頼を低下させてしまい作成コストだけがかかってしまうことも。
そのため統合報告書の作成には、経験豊富で信頼できる制作会社に外注することが重要です。
実績のある制作会社と二人三脚で、魅力的な統合報告書を作成なさってください。

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